日本のシャクヤクの産地、富山県

富山県産シャクヤクの概要

シャクヤクの基礎知識

分類 ボタン科
生薬名 シャクヤク(生薬和名 芍薬)
利用部位
生薬成分 ペオニフロリン、アルビフロリン等
処方 主として漢方処方薬で葛根湯、芍薬甘草湯、当帰芍薬散、小青竜湯などその他多くの漢方処方に使用されている
栽培適地 低湿地や乾燥地を除けば寒暖いずれの地でも生育し、適応性は強いものの、元来寒冷地に自生する植物。

富山県で主に栽培されている品種と特性

品種 梵天(ぼんてん:青軸の白花品種)
特性 病害虫に対して強健で、草丈が低く、倒伏しにくい。
茎数が多く太さは細く花は白色バラ咲き、切り花に不適で根は主根数が多く、長く、太さは中程度の増産種
ペオニフロリン含量は約2.5%、アルビフロリン含量は約0.7%前後。

シャクヤクの生育と主な管理作業

栽培期間は4年を基本とするが、生育が悪い場合は5年。
収穫物が根であるため掘取機を用いて株ごと掘り上げる。出荷形態は、洗浄・乾燥後に出荷するものと、洗浄・皮去り・乾燥後に出荷するものがある。根を取り去った後の株は次期栽培用として利用する。

芍薬の生育と主な管理作業 年間スケジュール

画像をクリックで拡大

主な栽培管理

ほ場準備

  • サブソイラ等で心土破砕し、額縁排水溝を設置する等、排水対策を徹底する。
  • 完熟堆肥又は発酵鶏糞、苦土石灰、過リン酸石灰を全面施用する。
  • 畦立て
    1条植え:掘取機収穫を行う場合
    畦幅 120~150cm程度(畦裾幅80~100cm)
    株間 30~50cm程度
    畦高 20~30cm
  • サブソイラ等で心土破砕し、額縁排水溝を設置する等、排水対策を徹底する。

苗の準備

通常株分けにより苗を確保する。
株分けは掘り起こした頭根1苗を3~5芽を付けるように分割する。
9月~10月中旬に行い、10月中に植え付ける。

富山県内の農業者であれば苗を購入することができます。(要予約)

植え付け作業

  • 9~10月であれば、植え付け時期が早いほどよく発根するので、苗が確保でき次第、植え付けする。
  • マルチに「植え穴」を開け、芽を上にして植え付け、覆土を3㎝程する。

一般管理

  • 排水対策:梅雨時や雪解け時などに水が圃場内に停滞しないよう、明渠等により排水を促す。
  • 除草:植え穴の除草と、畦間の除草を年3~4回行う。
  • 摘蕾作業:根の成長・肥大を促すため摘蕾作業を行う。(蕾がまだ小さい頃に手で摘み取るか、または全部の蕾が上がった頃を見計らって窯などで切り落とす。
  • 追肥:土壌条件や生育に合わせ、年2回(6月、10月)~3回(3月、6月、10月)程度追肥を行う。

収穫

植え付け4年目の9月中旬~10月中旬の土壌が乾いている時期に株を掘起こす。掘取り前に茎葉を刈り取ってもよい。株は、根回り約60~70cm、深さ約30cmの大きさに成長しているため、手掘りの場合相当の労力を要する。機会を利用する場合は振動掘取機を装着し、微速で掘り起こす。

調整(株割、出荷調整)

根をタガネ状のもので3~5個に分けて、根頭部からはずす。

PAGETOP
Copyright © 薬師製薬 All Rights Reserved.